マス・アピール、大衆文化の中のヒッグス粒子
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【10月9日 AFP】ヒッグス粒子は科学の最先端を切り開いたのみならず、新たな流行や楽曲、商品を生み出した。
動画投稿サイトのユーチューブ(Youtube)には、物質に質量(マス)を与えるこの粒子に捧げられた楽曲が20曲以上アップロードされている。主にアマチュアミュージシャンらが投稿したこれらの動画は、素粒子物理学を分かりやすくしようという試みの1つだ。
歌手アデル(Adele)さんのヒット曲「ローリング・イン・ザ・ディープ(Rolling in the Deep)」をアレンジしたヒッグス粒子の曲を制作・演奏しているのは、カナダ・モントリオール(Montreal)にあるマギル大学(McGill University)の学生で、その動画は50万回以上再生された。
他にも、ヘビーメタルやテクノなヒッグス粒子関連の楽曲もある。ヒッグス粒子のデータをアルゴリズムにかけて作曲した楽曲は、インドネシアの伝統音楽、ガムランのような響きになっている。
音楽の他にも、ヒッグス粒子に触発されたマグカップや時計、Tシャツなども登場した。ボソン、レプトン、クォーク、グルーオン、フォトンといった粒子の関係を説明する赤ん坊用のTシャツもある。
さらに、「低重力」醸造を売りにしたカナダのビール「ボソン・デ・ヒッグス(Boson de Higgs)」や、今年のノーベル物理学賞(Nobel Prize in Physics)の受賞が決まったピーター・ヒッグス(Peter Higgs)氏の肖像画をラベルにしたスペインのビール「ヒッグス粒子エール(Higgs Boson Ale)」なども発売中だ。「ヒッグス粒子:物質に質量を与えて137億年」と印刷されたドイツ製のビールジョッキに注いで飲んでみるのも良いかもしれない。(c)AFP/Richard INGHAM