【10月9日 AFP】黒い車体で知られる「ロンドンタクシー(London Taxi)」が、このたびオーストラリアに初上陸した。ただし地球の裏側の気候に合わせて車両の色は白となった。

 ロンドンタクシーによると今後4年間の試験運用に向けまず200台が輸出される予定だが、うち98台が西海岸の都市、ウエスタンオーストラリア(Western Australia)州の州都パース(Perth)に到着した。到着したのは最新モデルの宣伝用に製作された「TX4s」。今月下旬からの運用が決まっている。

 公的資金を受けて実施される4年間の試験運用中は、タクシーとして登録するために必要なライセンス料が免除されるため、車両にかかるコストは4年間でほぼ全額回収できるという。

 今年初めに、会社の経営権が中国の浙江吉利控股集団(Zhejiang Geely Holding Group)に買収されたロンドンタクシーは、生産工場2か所を所有している。英中部コベントリー(Coventry)の工場では国内向け、上海(Shanghai)の工場では外国向けの生産が行われており、パースに出荷された車両は上海で生産されたものとなっている。

 TX4sについて同社は、世界で唯一タクシー専用車両として設計されたものだと主張する。最小回転半径は7.6メートルで、最初に製造された1948年の当時のデザインをほぼ踏襲しているという。

 同社によると、ロンドンタクシーの車両は、ドイツやバーレーン、コソボ、レバノンなど世界60か国で使われている。この中には台数が非常に少ない国も含まれているものの、アゼルバイジャンでは紫色の車両1000台が運行しているほか、サウジアラビアからも黒200台とその他の色計200台を受注しているという。(c)AFP/Robin MILLARD