【10月9日 AFP】海運最大手A.P. モラー・マースク(A.P. Moeller-Maersk)のニルス・アンダーセン(Nils Andersen)最高経営責任者(CEO)は7日、英経済紙フィナンシャル・タイムズ(Financial TimesFT)に対し、北極海を経由する「北極海航路」の商用利用は少なくとも10~20年は実現しないとの見方を示した。

 アンダーセンCEOは、中国・欧州間の航行距離を大幅に短縮する北極海航路について、「今後10~20年以内に実現するようなものではない」と語った。

 最近、中国の商船が初めて北極海航路を航行したことから、同航路の利用が活発化するのではないかとの観測が広がっていた。

 中国から欧州への航行が約2週間短縮されるロシア北部を通過するこの航路は、地球温暖化の影響で航行可能になったが、現在は1年のうち北極の氷が解ける4か月間だけ利用可能となっている。ただ砕氷船による先導が必要なためコスト高となる側面がある。(c)AFP