【10月6日 AFP】米軍は1998年8月にケニアとタンザニアで起きた米大使館爆破事件に関与したとされ、被告不在のまま米国で起訴されていた国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の幹部ナジ・アブドゥルハメド・ルカイ(Nazih Abdul Hamed Al-Raghie)被告(49)をリビアで拘束したと、米当局者がCNNに明らかにした。

 この当局者によると、拘束作戦はリビア政府に通知した上で実施したという。ルカイ被告拘束に関連して米特殊部隊は2つの作戦を行ったとみられている。

 アブアナス・リビ(Abu Anas al-Libi)の名で知られるルカイ被告は、1998年8月7日にケニアのナイロビ(Nairobi)とタンザニアのダルエスサラーム(Dar es Salaam)で発生し、合わせて200人以上が死亡した米大使館爆破事件で主要な役割を果たしたとされる。

 米連邦捜査局(FBI)は「最重要テロリスト」としてルカイ被告の行方を追い、米政府は500万ドル(約4億8000万円)の懸賞金を懸けていた。拘束が事実であれば、15年におよぶ追跡劇に幕が下ろされることになる。ルカイ被告は裁判を受けるため米国に移送されるという。

 ルカイ被告拘束作戦に先立ち、米海軍特殊部隊「シールズ(SEALs)」がソマリア南部でイスラム過激派組織アルシャバーブ(Shebab)幹部を対象にした別の作戦を実施したと言われているが、対象の人物を殺害したかどうかは明らかになっていない。(c)AFP