【10月4日 AFP】原子力規制庁の池田克彦(Katsuhiko Ikeda)長官は4日、東京電力(TEPCO)の広瀬直己(Naomi Hirose)社長ら幹部を同庁に呼び、福島第1原子力発電所における「汚染水の不適切な管理体制」を厳重注意した。同原発では3日も、新たな汚染水漏れが発覚している。

 池田長官は広瀬社長らに、汚染水問題の根底には初歩的な確認の欠如があるのではないかとただし、現場での管理能力低下は著しいと言わざるを得ないと述べ、他の発電所から人員を回すなど、現場で対策にあたる人員増加などの強化策を求めた。

 これに対し広瀬社長は、池田長官に謝罪したうえで、人材、機材、資金を含めた会社の全資源を投入して問題に対応すると語った。

 その一方で東電は同日午前、福島第1原発で試運転中だった新汚染水処理設備「多核種除去設備(ALPS、アルプス)」3基のうち1基の運転を、異常を示す警報が出たため停止したと発表した。原因は不明だが、これまでのところ汚染水漏れは確認されていないと、東電は説明している。

 同原発では9月末にも、ゴム製シートが排水口をふさいだことによる不具合でアルプスの試運転が停止。先月30日に運転を再開したばかりだった。(c)AFP/Shingo ITO