【10月2日 AFP】米政府は1日、政府のウェブサイト「healthcare.gov」のなかで、国民が医療保険を選んで加入できる「医療保険市場(Health Insurance Marketplace)」の運用を始めた。しかし、数百万人が一気にアクセスしたため技術的な問題が発生し、この日に同サイトを訪れたおよそ280万人のうち、多くの人がサイトを利用することができなかった。

 医療保険未加入の3000万人の保険加入を支援するため2010年に成立した「医療費負担適正化法(Affordable Care Act、通称オバマケア Obamacare)」は、全ての米在住者に対して2014年1月1日までに医療保険に加入することを義務づけており、違反すれば罰金が科される。野党共和党が医療保険制度改革に反対し、同法に関連した予算案をめぐる攻防で一部政府機関が閉鎖に追い込まれたが、医療保険の加入手続きは予定通り始まった。

 バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は「医療保険市場」では月額100ドル(約9800円)未満の保険も見つけられるとしている。米政府によると、「医療保険市場」では平均で53種の医療保険から自分が加入する保険を選択できるという。

 医療保険制度の改革で恩恵を受け得る市民とともにホワイトハウス(White House)で記者会見したオバマ大統領は「医療保険市場」で発生した技術的問題について、「(1日の)午前7時までだけで100万人以上がアクセスしたため接続に時間がかかる状態になった」と説明。「医療保険市場」のアクセス数は、米政府のメディケア(高齢者・障害者向け医療保険制度)の公式サイト「Medicare.gov」全体のこれまでの最大アクセス数の5倍を超えていたと指摘し、このことからも「医療保険市場」開始の重要性は明らかだと述べた。(c)AFP/Kerry SHERIDAN