【10月2日 AFP】ギリシャの極右ネオナチ(Neo-Nazi)政党「黄金の夜明け(Golden Dawn)」に所属する国会議員らが1日、アテネ(Athens)の治安判事裁判所に出廷した。反ファシズム歌手の刺殺事件をきっかけに同党に対する捜査が進んでいる。

 イリアス・カシディアリス(Ilias Kasidiaris)、イアニス・ラゴス(Yiannis Lagos)、ニコス・ミホス(Nikos Michos)、イリアス・パナギオタロス(Ilias Panagiotaros)の4容疑者が、警察のバイク隊に護衛された黒いジープに乗せられて勾留されていた警察署から裁判所に移送される様子がテレビで放映された。

 また、現党首のニコラオス・ミハロリアコス(Nikolaos Michaloliakos)容疑者は2日に、副党首のクリストス・パッパス(Christos Pappas)容疑者も3日に、それぞれ訴追されるとみられている。

 予審判事は、同党が殺人2件、殺人未遂3件、強盗2件、銀行への放火1件など数十件の事件に関与していた可能性を指摘している。有罪判決が下れば、10年以上の禁錮刑が科される。

 同党に対するこれまでの捜査で、同党が関与したとされる一連の「犯罪行為」が明るみに出た。その最たるものが9月18日に発生した反ファシズム歌手パブロス・フィッサス(Pavlos Fyssas)さんの刺殺事件で、メディアにリークされた政府の報告書によると、自称ネオナチの男が犯行を認めているという。

 中でもラゴス容疑者には多数の前科があるとされ、ギリシャ国家情報庁(EYP)が2012年にまとめたところによると、恐喝や売春目的での女性の人身売買などへの関与が疑われている。歌手刺殺事件後に政府の対策不足への抗議の声が高まったことを受けて、当局も同党の摘発に乗り出さざるを得なくなった。(c)AFP/John HADOULIS