200年所在不明のナポレオン肖像画、ニューヨークで発見
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【10月2日 AFP】2世紀にもわたって行方不明となっていたフランス皇帝ナポレオン・ボナパルト(Napoleon Bonaparte)の肖像画が、ニューヨーク(New York)で見つかった。推定価格は200万ポンド(約3億1700万円)とされるが、所有していた個人収集家はその100分の1以下の値段で購入していたという。
フランス人画家ジャックルイ・ダビッド(Jacques-Louis David)が1813年に手掛けたこの肖像画は、英国とプロシアによってフランスが占領される恐れが差し迫る中、母国を侵略から守ると誓うナポレオンを描いている。
当初は模造品とされ、2005年にニューヨークの収集家に約1万5000ポンド(約240万円)で売却されたが、購入者は絵を修復した上で、英レディング大学(University of Reading)のフランス芸術専門家サイモン・リー(Simon Lee)氏に鑑定を依頼していた。
リー氏によると、絵にはダビッド本人の署名が書かれているが、修復作業を施したことで、下描きに「ルジェ」という単語と「1813」という年号が記されていることが判明した。ジョルジュ・ルジェ(Georges Rouget)は、ダビッドに気に入られて10年ほど仕えた助手で、キャンバスの下描きを任されていた。この2つの名前が書きこまれていたことが、ダビッドの作品と断定する決め手となったという。(c)AFP