【9月30日 AFP】車両の運転が女性の卵巣に悪影響を与え「臨床的に問題」のある子どもが生まれる──サウジアラビアのイスラム教高位聖職者が示したこの見解に対し、インターネットを中心に批判が広まっている。

 問題となっているのは、イスラム聖職者協会(National Council of UlemaMUI)のメンバーで元最高司法評議会(Supreme Judicial Council)トップのサレハ・ルハイダン(Saleh al-Luhaydan)師によるコメント。ルハイダン師は、「生理学」の研究で車両の運転が女性の卵巣に影響を及ぼし骨盤を押し上げることが分かったと、地元報道局のウェブサイトに意見を投稿し、この中で「運転を続ける女性が生んだ子どもたちのほとんどが、様々なレベルの臨床的疾患に苦しんでいる」と説いていた。

 ルハイダン師のコメントは、マイクロブログ「ツイッター(Twitter)」上で批判を集めた。ツイッターは、絶対王政を敷くサウジで、国民が本音を吐露することができる極めて数少ないメディアの1つとなっている。

 厳格なイスラム教義を取り入れるサウジアラビアでは、女性による運転が禁じられており、10月26日にはこの規則への抗議行動が予定されている。オンライン嘆願書「10月26日、女性のために運転しよう(Oct 26th, driving for women)」では、既に1万2000件の署名が集まっている。

 サウジアラビアは女性の運転を禁じる世界で唯一の国だ。(c)AFP