【9月27日 AFP】米大リーグ(MLB)の歴代最多通算セーブ記録保持者で、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のマリアーノ・リベラ(Mariano Rivera)が26日、タンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)に0-4で敗れた本拠地最終戦で登板し、ヤンキースタジアム(Yankee Stadium)のマウンドに別れを告げた。

 ア・リーグのワイルドカードを争うレイズは、エヴァン・ロンゴリア(Evan Longoria)が2本の適時打で3打点を挙げる活躍を見せ、クリーブランド・インディアンス(Cleveland Indians)に1ゲーム差、テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)に2ゲーム差をつけた。

 しかし、この日の主役は負け試合ながらも感動的な最後の登板を果たし、チームメートのデレク・ジーター(Derek Jeter)、アンディ・ペティット(Andy Pettitte)と抱擁を交わしてマウンドを去ったリベラだった。

 リベラは「最後の登板だから感無量だった。これで終わりだね」と語った。

 通算5度のワールドシリーズ制覇を果たしている43歳のリベラは最後の登板を終えると、自身の名前を何度も呼ぶヤンキースタジアムのファンに手を振りながらマウンドを降りた。

 28日にヒューストン(Houston)で最後の登板を控えているペティットは、「彼は泣いていたよ」と語った。

 ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)との3連戦を最後に、ヤンキース一筋で過ごした19年間の現役生活の幕を閉じるリベラは、8回一死の場面でマウンドに上がった。

 そして9回二死まで4人の打者を打ち取るとジーター、ペティットがマウンドに歩み寄り、リベラに交代を告げた。完敗の試合でありながらも、この瞬間のために球場で待ち続けたファンのスタンディングオベーションを浴びながら、リベラはマウンドを降りた。

 ダッグアウトに向かう途中、立ち止まったリベラはスタンディングオベーションで見送るレイズの選手と、およそ4万8000人のファンに帽子を取ってあいさつした。

 涙を浮かべたリベラはチームメートや監督、コーチと抱擁を交わして一度ダッグアウトに入ったが、最後にもう一度グランドに立ち、カーテンコールに応えた。

「素晴らしい現役生活だった。本当にファンには感謝している」

 試合終了後、リベラはもう一度ライバルチームの打者を圧倒し続けたマウンドに戻り、その土を持ち帰った。(c)AFP