【9月26日 AFP】南アフリカでは、今年に入ってから688頭のサイが密猟者によって殺されており、その数は既に2012年全体を上回っていることが、22日の「世界サイの日(World Rhino Day)」に合わせて発表されたデータで明らかになった。

 南アフリカには、世界で最も多くのサイが生息している。2007年に報告された密猟件数はわずか13件だったが、サイの角の需要が高いアジアの闇市場に供給するため、その数は近年急増している。サイの角の成分は爪と同じだが、アジアの人々の中には、非常に強い治癒効果があるとの誤った認識を持つ人がいる。

 世界自然保護基金(World Wildlife Fund for NatureWWF)のサイ担当者、ジョー・ショー(Joe Shaw)氏は最近、殺されるサイの数が出生数を上回りつつあり、個体数が減少に向かっているため、状況はさらに深刻さを増していると警鐘を鳴らしている。

 南アフリカには、世界に2万5000頭以上いると推計されるサイの個体数のうち約80%が生息しており、2012年には668頭のサイが殺された。(c)AFP