【9月22日 AFP】ドーピングを行ったとして211試合の出場停止処分を科されたものの、現在異議申し立て中であることから出場が認められているMLB、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のアレックス・ロドリゲス(Alex Rodriguez)が20日、満塁本塁打の北米歴代最多記録を樹立した。

 ロドリゲスは20日のサンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)戦でキャリア通算24本目の満塁本塁打を放ち、ヤンキースの偉大な先輩、故ルー・ ゲーリッグ(Lou Gehrig)氏が1938年に打ち立てた最多記録を更新した。

 7回の打席、2アウト・1ストライク・2ボールの状況でロドリゲスは、ジャイアンツのリリーフ、ジョージ・コントス(George Kontos)が投げたボールを右方向に打ち返した。

「ホームランを打とうと思ってはないなかった。それよりもいい振りでボールを打つことを考えていた。リスクは犯さないようにしていた」とロドリゲスは話した。

 試合は5-1でヤンキースが勝利した。

 昨年6月以来となった満塁本塁打を達成したロドリゲス。このところの成績は低迷していたが、スランプを抜け出せたことよりも、チームの勝利の方が喜ばしいという。レギュラーシーズン終了まで残り10日を切った現在、ヤンキースはワイルドカードでのプレーオフ進出をかけて戦っている。

 ロドリゲスは新記録樹立について、「そのようなことを今この状況で考えてはいられない」と語った。

「レギュラーシーズンのラストスパートに差し掛かっているので、ひとつひとつの勝利が大きな意味を持つんだ。それが野球というもの。バットのひと振りで大きな変化が生まれることもある。この本塁打で不調から抜け出すことができたらいいと願っている。チームとしてもこの勢いに乗っていきたいと思う」

 今回の本塁打はロドリゲスにとって通算654号で、北米歴代4位のウイリー・メイズ(Willie Mays)氏の記録にあと6本と迫っている。また、歴代最多のバリー・ボンズ(Barry Bonds)氏の記録まではあと108本となっている。

 しかしロドリゲスに現役として残された時間はあとわずかかもしれない。

 8月、MLBはテストステロンやヒト成長ホルモン(Human Growth HormoneHGH)などの禁止成分を使用したとして、ロドリゲスに対し2014年シーズン終了まで合計211試合の出場停止処分を科した。

 同じ時期に摘発され、50試合の出場停止となった他の12人の選手は処分を受け入れた一方で、ロドリゲスは異議を申し立てることを選んだ。

 シーズン後に下されるといわれている裁定が言い渡されるまで、ロドリゲスはグラウンドに出続けることができる。(c)AFP