【9月20日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は19日、火星無人探査車キュリオシティー(Curiosity)の調査の結果、火星の大気中に存在するメタンガスはごく微量であることが分かったと発表した。

 2003年3月に火星の赤道近くに1万9000トンものメタンガスを含んだ雲が見つかったと発表されるなど、過去10年、火星の大気中に大規模なメタンガスの「かたまり」が存在する可能性が指摘されていたが、その根拠が火星を周回する人工衛星や地球上からの観測データだったため議論に決着がついていなかった。

 今回キュリオシティーに搭載された測定装置で得たデータを分析したところ、大気中のメタンガスの体積濃度は最大でも従来の推定値の約6分の1の1.3ppbV(ppbVは体積の比率が10億分の1であることを示す)にすぎないことが分かったという。

 NASAの研究者マイケル・マイヤー(Michael Meyer)氏は、地球にはメタンガスを出さない微生物もいるので火星で生物が見つかる可能性が全くなくなったわけではないと話しているが、研究者たちは火星の土壌に生物や過去に存在した生物に由来する有機物が存在する可能性は大幅に小さくなったと考えている。(c)AFP/Jean-Louis SANTINI