【9月20日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領から次期駐日大使に指名されたキャロライン・ケネディ(Caroline Kennedy)氏(55)は19日、上院外交委員会の公聴会で証言し、所信を表明した。暗殺された父の故ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)元米大統領の意志を継いで日米同盟の強化に努めたいと語った。

 ケネディ氏は、第2次世界大戦(World War II)で日本軍の駆逐艦の攻撃で重傷を負った父親が生前、米国人として初めて国賓として訪日する人物になることを願っていたと話し、「日本以上に(大使として)仕えたいと思う国はありません」と語った。現役の米大統領として初めて日本を公式訪問したのは1974年のジェラルド・フォード(Gerald Ford)氏だった。

 ケネディ氏は公聴会に先立ち入念な準備をしてきた様子で、外交委員らの質問に対し、まるで国務省高官のような言葉で返答した。

■「尖閣は日本の施政権下」

 中国が領有権を主張している尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島、Diaoyu Islands)についてケネディ氏は、主権がどの国にあるか米国は特定の立場を取らないとしながらも、「日本の施政権下にあると認識している」と述べ、日米安全保障条約が適用されるとの見解を示した。さらに、アジア諸国が争っている諸問題について各国間の対話を促進して「平和的解決」を支援するのが米国の「国益と義務」だと述べた。

 米上院にケネディ氏の次期駐日大使指名に反対する議員はおらず同人事案は承認される見込みだが、米国の外交政策専門家からは、中国や北朝鮮と日本との緊張が高まる中、経験の乏しいケネディ氏が指名されたことに批判も出ている。

 承認されれば女性初の駐日米国大使となるケネディ氏は、日本に行ったら一人の女性として折に触れて米国と米国民が成し遂げたことを示したいと述べ、先進国の中でも女性の社会進出が進んでいないとされる日本での女性の権利問題を取り上げたいという考えを示唆した。(c)AFP