【9月16日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)などが13日に発表した最新の報告書によると、全世界の幼児期死亡者数は1990年から半減したが、今なお約1万8000人の5歳未満児が毎日死亡しているという。

 ユニセフ、世界銀行(World Bank)、世界保健機関(World Health OrganizationWHO)がまとめた報告書によると、5回目の誕生日を迎える前に死亡した幼児の数は、1990年は1260万人だったのに対し、2012年は約660万人だったという。

 報告書はこの要因として、医療処置の効果の向上と費用の低下、貧困層に医療を提供する新しい方法の導入、状況の改善に向けた政治的関与などを挙げている。

 だが報告書は、いまだに多くのことが手付かずのままになっているとも指摘している。

 ユニセフのアンソニー・レイク(Anthony Lake)事務局長は「これは好ましい傾向だ。数百万の命が救われている」と述べたが、「これらの死亡の大半は、多くの国々がすでに導入している簡単な措置を用いて防ぐことができる。われわれに必要なのは、緊急事態の意識を高めることだ」とも指摘した。

 幼児期の死亡数は、オセアニアとサハラ以南のアフリカ以外のすべての地域で50%以上の減少が見られた。東アジアでは74%減少し、北アフリカでは69%減少した。

 だが一部の地域では、乳幼児死亡率は依然として上昇しており、2012年の5歳未満児の死亡の約8割がサハラ以南のアフリカおよび南アジアで発生している。

 現在、約1万8000人の5歳未満児が毎日死亡しており、この死亡の半数は、中国、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、インド、ナイジェリア、パキスタンの5か国で発生している。

 報告書によると、主な直接的死因として、肺炎、早産、出生児仮死、下痢、マラリアなどが挙げられている。また、全体の45%が栄養不良に関連付けられるとも報告書は指摘している。

 さらに、状況が改善しているにもかかわらず、乳幼児死亡率を削減するための取り組みは、1990年から2015年の間に同死亡率を3分の2引き下げるというミレニアム開発目標(Millennium Development Goals)の目標値を下回っているとも報告書は述べている。(c)AFP