【9月12日 AFP】サッカーアイルランド代表は11日、双方の合意により、ジョバンニ・トラパットーニ(Giovanni Trapattoni)氏が監督を辞任することを発表した。

 アイルランド代表は10日に行われた2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)欧州予選、オーストリア戦に0-1で敗戦し、本大会出場の望みがほとんど薄れている。

 これを受けてアイルランド・サッカー協会(Football Association of IrelandFAI)は、イタリア出身のトラパットーニ氏と、アシスタントコーチのマルコ・タルデッリ(Marco Tardelli)とたもとを分かつこととなった。

 74歳のトラパットーニ監督は来年の6月まで契約期間が残っていたが、「ここにいる間、私たちを支えてくれたアイルランドの人々に感謝します。ここで過ごした期間は、私たちにとって非常に価値のあるものでした」とFAIを通じてコメントしている。

「私たちはアイルランドのサポーターが国際的な名声を得るにふさわしいことを理解し、最大限の敬意を払っているだけに、この国を去ることに感情が揺さぶられています」

 トラパットーニ監督はまた、オーストリア戦後に、「アイルランド代表の素晴らしい未来を祈り、私たちのやってきた仕事が後任者に万事うまく引き継がれることを願っています」と語った。

 トラパットーニ氏はアイルランドをW杯の本大会出場に導くという命を受けて、2008年に同国監督に就任した。

 最初に臨んだ2010年南アフリカ大会(2014 World Cup)予選ではプレーオフに進出。目標達成にあと一歩と迫ったが、フランス代表のティエリ・アンリ(Thierry Henry)のハンドによるいわくつきの決勝ゴールでチャンスを潰された。

 今回のW杯欧州予選でアイルランドはグループCの4位につけており、現在2位のスウェーデンを上回ってプレーオフに進出する可能性は現実的に無きに等しい。

 すでに複数のブックメーカー(賭け屋)の間では、元北アイルランド代表でイングランド・プレミアリーグのサンダーランド(Sunderland AFC)の前監督でもあるマーチン・オニール(Martin O'Neill)氏が後任候補に挙げられている。

 しかしFAIのジョン・デラニー(John Delaney)会長は、かつて同代表監督を務めた経験を持つミック・マッカーシー(Mick McCarthy)氏の復帰を示唆した。

「誰に決まるか楽しみだね。ミック、ブライアン・マクダーモット(Brian McDermott)、クリス・ヒュートン(Chris Hughton)、ロイ・キーン(Roy Keane)、みんな候補に挙がっているし、マーチン・オニールも当然入っている」とデラニー会長はアイルランドのラジオ局に語っている。(c)AFP