【9月12日 AFP】南米チリは11日、サルバドール・アジェンデ(Salvador Allende)大統領(当時)が戦闘中に死亡し、アウグスト・ピノチェト(Augusto Pinochet)陸軍司令官が権力の座に就いた1973年9月11日のクーデターから40年を迎えた。

 チリではいまなお分裂が続いており、10日から11日朝にかけて首都サンティアゴ(Santiago)の内外で混乱が発生。警察の発表によると車やバリケードに火をつけたデモ隊の少なくとも68人が逮捕された。

 セバスティアン・ピニェラ(Sebastian Pinera)大統領は記念演説で「過去を忘れてはならないが、そのトラウマを乗り越える時がきた。私たちが子供たちに残せる最良の遺産は、和解した平和な国である」と述べ、国民に和解を訴えた。民政に移管した1990年以来チリ初の右派の元首である同大統領は、和解のためにはチリ国民が「真実と正義の道を進み続ける」必要があると強調した。

 17年続いた独裁時代に3200人が死亡し、約3万8000人が拷問されたチリでは、当時の真相を全て明らかにするよう求める圧力が強まっている。

 ピノチェト元大統領は裁判にかけられることなく2006 年に死亡、チリの司法制度の下ではピノチェト時代の犯罪に関わる約1300件が未解決となっている。 当時から1200人近くが行方不明のままであり、それを追悼して10日には約1000人が大統領府近くで地面に横たわった。(c)AFP