【9月11日 AFP】前週末、ポルノ俳優で4人目とされるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の陽性結果が報じられたために制作を一時中断している米アダルト映画業界は10日、報道は根拠がない「政治的駆け引きだ」と反論した。

 米ポルノ制作者らが加盟する業界団体「フリースピーチ連合(Free Speech Coalition)」のダイアン・デューク(Diane Duke)氏は、ポルノ俳優で4人目となるHIV陽性結果が出たとする報道に疑問を呈し、アダルト映画の撮影現場でのコンドーム使用の義務化を推進しているエイズ医療財団(AIDS Healthcare FoundationAHF)に矛先を向けた。

 デューク氏はAFPの取材に対し「4人目の陽性結果に関する証拠はない。この発表はAHFによる政治的駆け引きではないか」と批判した。

 米アダルト映画業界は8月、女優のキャメロン・ベイ(Cameron Bay)さんがHIV検査の結果、陽性と判定されたことを受け、映画制作を一時休止した。次にベイさんと関係があった俳優ロッド・デイリー(Rod Daily)さんがマイクロブログのツイッター(Twitter)上で、自身も陽性だったと発表した。制作は1週間ほどで再開されたが9月に入り、6日に業界の嘱託医からフリースピーチ連合に3人目の陽性判定が報告されたため、米アダルト業界は同日、全米規模で再び制作休止を宣言した。

 デューク氏は、制作休止宣言は現在も全米で有効だと述べた上で、解除へ向けて必要な措置を医療顧問団と協議中だと述べた。

 一方、AHFのマイケル・ウェインスタイン(Michael Weinstein)氏は4人目とされる報告について、米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)に対し 「男性俳優から検査結果が陽性だったと明かされた」とだけ述べている。

 またAHFの広報は10日、AFPに対し、これまでに陽性が確認されているのは、1人目のベイさんと3人目とされる女優だけで、デイリーさんに関しては現在のところ、本人がツイッター上で発表しただけで確認されていないと語った。(c)AFP/Michael THURSTON