ブラッター会長、W杯は欧州に都合が良いものではない
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【9月10日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長が、2022年W杯カタール大会(2022 World Cup)の冬季開催への移行の検討は、世界に向けたアピールを反映したものと、自身の立場を擁護した。 ブラッター会長は、インサイド・ワールド・フットボール(Inside World Football)のインタビューに応じ、提案された変更点に不満を抱いているFIFAの委員は、招致過程で出された書類の中にも記されていた可能性をしっかりと認識すべきだったと語った。 「大きな声で批判する方は、カタールが招致のために提出した書類にサインを記しているのだから、しっかりと認識しておくべきだ。第22回のW杯(カタール大会)の条項1.2.1では、『原則として』6月および7月に行う予定と記してあることを認識していなければならない」 「6月、7月に『必ず』行わなければならないとは記されていない。そしてまた、6月、7月にW杯を開催することは『必須条件』ではない。書類に書かれていることは、FIFAが6月と7月にW杯を開催したいという願望だ」 カタールは当初、欧州サッカー界のシーズンオフに当たる6月と7月に大会を開催するとしていたが、開催時期が変更となれば国内リーグが中断されることもあり、欧州各国、特にイングランドはW杯の開催時期が1月から2月に変更されることに非難の声を上げている。 カタールでは夏季に最高気温が50度を超えることもあるが、12月には20度台中盤となる。 またブラッター会長は、欧州に適用するような大会を組織するのではなく、できるだけ多くの国に開催のチャンスが訪れることを確実にするための柔軟性が必要となると述べた。 「われわれが厳密に現状維持をすれば、FIFAW杯は赤道以南、あるいは赤道近くにある国々では開催できなくなる。欧州と季節が違う国を自動的にえり好みすることになり、世界最大、地球規模の大会を開催したいという国がチャンスを手にすることができなくなる」とコメントした。 「欧州各国は、すでに世界を牛耳っていないことを理解すべき時だ。過去の欧州列強は、遠隔の地に自分たちの意思を押しつけることはもうできない。サッカーは欧州と南米だけのスポーツではなくなったことを受け入れなければならない」 「サッカーは、世界各地で数十億人の熱狂的なファンに毎週見られている世界的なスポーツとなった」 ブラッター会長は、10月3日と4日に行われる理事会でこの問題について提起すると付け加えている。(c)AFP