【9月9日 AFP】英ロンドン警視庁は8日、市内中心部のバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)の庭を散歩中だったエリザベス女王(Queen Elizabeth II、87)の次男アンドルー王子(Prince Andrew、53)に対し、武装警官2人が職務質問を行っていたことを認めた。

 警視庁報道官の説明によると、4日午後6時(日本時間5日午前2時)ごろ、制服警官2人が宮殿の庭にいた王子に近づき、身分証明書の提示を求めた。王子の身分証明書は有効と判断され、「武器や武力の行使はなかった」という。

 宮殿ではこの2日前、厳重な警備を突破して侵入した男の身柄が拘束されている。男はフェンスをよじ登って宮殿内に入り、強盗と侵入、器物損壊の容疑で逮捕された。宮殿の外でも、共犯とみられる男の身柄が拘束された。

 警察はこの侵入事件を踏まえ、宮殿の警備体制を強化していた。一方、警官らが王子に銃を突きつけ、地面に伏せるよう大声で指示したとする一部報道については否定した。

 バッキンガム宮殿は、コメントを拒否している。

 事件当時、宮殿に王室一家はいなかった。現在女王は避暑のため、スコットランドのバルモラル城(Balmoral Castle)に滞在している。

 宮殿への不審者の侵入は、女王が就寝中の寝室に無職の男が押し入った1982年以来の重大な警備ミスとされる。この男は宮殿の壁と雨どいをよじ登って寝室に侵入し、女王に10分間も話しかけた後、女王に通報された。(c)AFP