【9月5日 AFP】アフリカ西部ナイジェリア出身の1歳になる結合双生児の姉妹の分離手術が前月、インドの首都ニューデリー(New Delhi)で行われ、40人の専門家による18時間に及ぶ手術は無事成功した。手術を行ったBLKスーパー・スペシャリティー病院(BLK Super Speciality Hospital)の医師団が4日、発表した。

 医師らが開いた記者会見の場に、そろって濃いピンク色の服を着て登場したフサイナ(Hussaina)ちゃんとハサナ(Hassana)ちゃんの姉妹は、おとなしく両親の膝の上に座っていたが、時に携帯電話や玩具のガラガラをいじったり、母親のマラマ・バダリイヤ・バダル(Malama Badariyya Badaru)さんのイヤリングを引っ張ったりなど、いたずら好きの一面も見せた。マラマさんは「2人をようやく別々に抱えることができて嬉しい」と語った。

 同院の小児外科医プラシャント・ジャイン(Prashant Jain)医師によると、結合双生児は、頭部か上半身で結合している例が多いが、姉妹は背中同士が結合した「殿結合体」と呼ばれる珍しい例だったため、非常に難易度の高い手術となった。殿結合体は結合双生児全体の15%のみで、医学論文には32例しか記録されていないという。

 一家はナイジェリア北西部カノ(Kano)州在住。地元の医師たちからは、同国で手術を受ければ姉妹のうち1人は生き残れないだろうと告げられていた。そこで今回、仲介となった慈善活動家から、設備が充実しており、比較的安く手術を受けることができるインドへの渡航を勧められた。姉妹は今後、1か月程度かけて経過を観察した後、一家そろって帰国する見込みだ。(c)AFP