【9月5日 AFP】男子陸上のウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)が4日、2016年のリオデジャネイロ五輪を最後に引退を考えていることを明かした。

 リオ五輪では30歳になっていることになるが、それまでの3年の間にボルトは200メートルの世界記録を更新することに照準を合わせている。また、2014年には英連邦競技大会(コモンウェルス・ゲームズ、Commonwealth Games)が開催される。

 ボルトは2008年北京五輪で3冠に輝いて以来、陸上競技の男子短距離種目を支配してきた。しかしベルギーのブリュッセルで行われるダイヤモンドリーグ2013(IAAF Diamond League 2013)第14戦、メモリアル・ヴァンダム(Memorial Van Damme)の開催6日に控える中、ボルトはリオが自身にとって3大会目になるとともに、最後の五輪になるかもしれないと話した。

「2016年の五輪の後、まだ頂点に君臨している間に引退したいと思う」と、これまで通算6つの五輪金メダルを獲得しているボルトは語る。

「しかし、トラックを支配し続けようと思うのなら、オフシーズンに休んではいられない。今季は完璧ではなかった。勝ちはしたが、『ウサイン・ボルト的』な勝ち方ではなかった」

 とはいうものの、ボルトは先月開催された第14回世界陸上モスクワ大会(14th IAAF World Championships in Athletics Moscow)で3冠を達成し、世界陸上での通算金メダル獲得数を8に伸ばした。

「少し歳も取ったので、負傷しないように集中力を維持し、責任を持った行動を取らなければいけないと肝に銘じている」と現在27歳のボルトは言う。

 また、今季終了後は休暇を取り、2014年シーズンの計画は10月頃に発表するという。

「来シーズンの計画は上手くまとめようと思っている。当初、グレン・ミルズ(Glen Mills)コーチには、来季は(練習量や出場回数を)軽減しようと提案したんだ。しかし、コーチがそれはいい考えではないと僕を説得した」

「けがのリスクを減らすために一生懸命に練習を続け、またゼロからのスタートにならないようにしなければいけない。だから2014年も、他のシーズンと同じようにレースに出る。コモンウェルス・ゲームズには今まで一度も出場したことがないが、大会スケジュールに関してはコーチにまかせる」

 またボルトは、得意の男子200メートルで自らが保持する、19秒19の世界記録の更新を目指していることを示唆した。

「(同じくボルトが保持する)100メートルの世界記録は更新するのが一番難しい。もっと技術的なんだ。一方の200メートルでは、コーナーをマスターし、けがをしないようにすれば、改善の余地はある」

「2014年にはできるだけ速く走ることに重点を置いて、準備をしたいと思っている。来年はメジャー大会がないので、可能な限り速く走ることだけに集中することができる」

(c)AFP