【9月3日 senken h】クリエイティブなヒト、モノ、コトに迫る「アッシュ・インキュベーション」。今回は、今号のカバーショットにも登場してくれた福島リラさん。日本人モデルとして初めて「ドルチェ&ガッバーナ」や「カルバン・クライン」などのグローバル広告モデルに起用され、今年は映画「ウルヴァリン:SAMURAI」ヒロイン役としてハリウッドデビュー。身長168センチ、モデルとしては小柄といわれながら、常にチャレンジと努力でそれを跳ね返し、世界のトップで輝き続けるリラさんにインタビュー。

――世界のモデルのトップを走る。グローバルなステージで活躍できる秘訣(ひけつ)は何?

 「自分らしさを自分自身が気づくこと、そしてそれを磨くことですね。私の場合いつもモデルとしては身長が低いとよくいわれていました。でも『それって自分らしさ』とポジティブに考えることができるようになった時に変わりましたね。ちょうどそう思いはじめたのは、初めて海外の仕事が決まった時期でもあります。結局、すべてありのままが今の自分なんだからそれをネガティブに考えるか、ポジティブに考えるかで人生は変わっていくと思います。そう思えるまですごく時間がかかりましたけどね。

 元々、モデルが大好き。人が好き。でも、自分の身長じゃ当然無理だなと思って、マネジャーの仕事に憧れ、エージェンシーに面接に。そうしたら運良くモデルとして所属できることになり、仕事をしていたら、海外の雑誌からもオファーを受けて、アメリカのモデル界にチャレンジしました。あきらめちゃいけないなって思いますね。

 ただ、海外に行ったら向こうではもっと大変。日本以上にどのモデルも身長が高いので、ファッションショーではなかなか仕事が決まらず、ショーは自分のステージじゃないなって思ったんです。身長が高くて服を美しく見せるためのモデルは私ではないなと。私は小柄だし、特徴的な顔立ちとも思うので、普通のモデルとちょっと違うところが個性。そういう『違う』スタイルでも何かを表現することが、何より自分の武器なんじゃないかと。そう思ってショーの世界から、自己表現が問われるプリント、映像の仕事を中心に活動を変えました」

――そんな風にポジティブに道を切り開いてこられた原動力は?

 「ありのままの自分を素直に認めて、つまずいても続けることですね。オーディションでも、合格するかどうかよりも、自分のベストを尽くすことを常に意識していました。特別な武器を持っているわけじゃないし、無理にモデルっぽく振る舞うのではなく、とにかく精いっぱいチャレンジして、自分らしさを出すこと、と。小柄とか日本人だからとか、色んなことを言われても一途に続けてきた自分の全部をぶつけること、表現することを大事にしてきました。

 そんな風にオーディションに受けていたら、ドルチェ&ガッバーナとかカルバン・クラインの仕事にもつながりました。ちょうどカルバン・クラインでは、ケイト・モスさんらも起用されている時期で、『完璧じゃない美しさが持つ魅力』がテーマになっていました。ケイトさんもモデルとしては小柄だし、時代がスーパービューティーとかよりも完璧じゃないリアリティーみたいなものを求めていたのかもしれませんね。そんな空気感にうまくマッチできたのは幸せでした。自分ができることを精いっぱいチャレンジすること。そうすることによってまた新しい景色が見えてくるんだと思います」

――モデルに続いて今年はハリウッドデビューも

 「9月13日公開の『ウルヴァリン:SAMURAI』に映画初出演させてもらいました。世界的なキャスト、スタッフの方々と仕事ができて素晴らしい現場でした。中でもジェームズ・マンゴールド監督は、壁にぶつかったときにいつも背中を押してくれました。撮影は本当に楽しかったので、『これからもっといろいろな演技の場を経験していきたい』と素直に思いました。主役のヒュー・ジャックマンさんも、スタッフ皆にとても優しい心遣いができる人。私も人として、彼のように成長したいと思える、人として次のステージが見えるような体験だったと思います。

 今回映画の現場を通して、改めて今までのモデルの経験がすごく生きているなと実感しました。私がスクリーンで自分の個性を出す上でも、モデルでの経験、頑張ってきたことが土台になっていると思います。だからこそ感じるのですが、これから西洋の伝統的なパーフェクトビューティーだけでなく、個性や内面から出てくる美しさが求められる時代にさらになってくる気がします。そんな美しい人がもっともっと出てきてほしいですね」

[プロフィル]
福島リラ
モデル、女優。2003年にニューヨークに移住後、ハイブランドのキャンペーンモデルとして次々に起用され、キャリアは一気に国際的なレベルに。その後内外のファッション、アートシーンを中心に雑誌、広告などのメディアで活躍。現在、東京をベースにモーションピクチャーでも活動の場を広げ、9月13日より日本公開される映画「ウルヴァリン:SAMURAI」でハリウッドデビュー。(c)senken h

http://instagram.com/rila_fukushima