【8月29日 AFP】中国国営メディアは29日、不穏な情勢が続く新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で、ウイグル族への「対テロ作戦」で警察官1人が死亡したと伝えた。一方、外国メディアは約1週間前から続くウイグル族と中国治安当局との衝突でウイグル族の死者が22人に上ったと伝えている。

 環球時報(Global Times)やカシュガル・デーリー(Kashgar Daily)などは、この警官はキルギスとの国境に近いカシュガル(Kashgar)で20日、「凶暴なテロリスト・グループ」を取り締まる任務の遂行中に「勇敢にも命を捧げた」と報じた。

 一方、米国政府が出資するラジオ・フリー・アジア(Radio Free AsiaRFA)は、依力克其(Yilkiqi)の砂漠地帯で実施された治安当局の取り締まりでウイグル族22人が死亡したと伝えている。RFAは銃撃で死亡した「22人の遺体が入った黒い袋を、警察がどこかに運んでいくのと見た」との目撃者の話を報じた。遺体について警察はテロリストのものだと説明したという。

 中国最西の広大な新疆ウイグル自治区は人口はまばらだが、散発的な衝突事件が多発している。人口の46%はウイグル族で、そのほとんどはイスラム教徒だが、自治区の経済を握るのは中国の人口の39%を占める漢族だ。

 ウイグル民族の組織は、中国政府が民族の言語、文化や宗教を抑圧していると主張。これに対し政府側は、資源豊かな同地での開発は生活向上に貢献してきたと反論している。(c)AFP