【8月29日 AFP】片頭痛は脳の構造に恒久的な変化をもたらす可能性があるとの研究結果が28日、米国神経学会(American Academy of Neurology)の学会誌「ニューロロジー(Neurology)」に発表された。ただ、この変化が長期的にどのように患者に影響を与えるかは分かっていないという。

 研究は6集団、13診療所を対象に行った複数の研究を統合的に分析。その結果、片頭痛患者は片頭痛のない人に比べ、脳病変、白質異常、脳容積変化のリスクが高まることが分かったという。

 論文の著者、デンマーク・コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)のMessoud Ashina氏は、「従来、片頭痛は脳に長期的な影響を与えない良性疾患と考えられてきたが、今回の研究は、さまざまな形で片頭痛が脳の構造に恒久的な変化をもたらす可能性があることを示唆している」と指摘する。

 研究の結果、片頭痛のない人に比べ、閃輝(せんき)暗点、めまい、耳鳴りなどの前兆を伴う片頭痛患者は脳の白質病変のリスクが68%高く、前兆を伴わない片頭痛患者は34%高いことが分かった。その他の異常や脳容積の変化についても、片頭痛患者の方がより多く見られた。

 世界の人口の10%にあたる人が片頭痛を患っているとされ、患者は男性より女性に多い。(c)AFP