【8月28日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)とマイクロブログ「ツイッター(Twitter)」のウェブサイトが27日、サイバー攻撃を受け、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領を支持するオンライン活動家グループ「シリア電子軍(Syrian Electronic ArmySEA)」が犯行声明を出した。

 攻撃はオンライン上のトラフィックを各ウェブサイトに振り分ける際に住所録のような役割を果たすドメインネームシステム(DNS)をターゲットにしていたことをうかがわせる証拠があるという。ハッカーはDNS情報を書き換えることで、一般のインターネットユーザーを任意のサイトに誘導することができる。今回はオーストラリアのドメイン登録サービスがハッキングされたもようだ。

 ツイッターは状況を説明するブログで、ツイッターが画像サービスに使っているドメインのうちの1つを含む複数の団体のDNS記録が改ざんされたとみられ、画像や写真表示に散発的な影響が出たと説明するとともに、ツイッターは2時間以内に復旧し、ユーザーの個人情報への影響もなかったと明らかにした。ニューヨーク・タイムズは、27日に同社のウェブサイトが「悪意ある外部からの攻撃」によりダウンしたと発表した。

 一方、シリア電子軍は、皮肉にも大多数にメッセージを発信できる媒体であるツイッターに「これからメディアがダウンする。ツイッターよ、用意はいいか」などと書き込み、ツイッターとニューヨーク・タイムズに対する攻撃を予告していた。シリア電子軍は過去にも大手ニュースメディアのウェブサイトにハッカー攻撃を行ったと主張している。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)のウェブサイトも今月に入りシリア電子軍によるとされるハッキングを受けている。

 米ITセキュリティ企業WhiteHat Securityのマット・ジョハンセン(Matt Johansen)氏は、今回の攻撃の技術的な特徴はシリア電子軍の犯行を示唆しているとツイッターに書き込んだ。(c)AFP