【8月28日 AFP】シンガポールで27日、米エール大学(Yale University)とシンガポール国立大学(National University of SingaporeNUS)が共同で立ち上げた大学「エールNUSカレッジ(Yale-NUS College)」が正式に開校した。

 エール大は大学設立の目的について、シンガポールや他のアジア諸国にある「批判的思考」に対する需要を満たすためと説明している。初年度には1万人以上の入学応募があったという。そのうち、最終的に入学が決まったのは26か国から応募した157人で、うち97人はシンガポール人だという。入学者らは今月、仮校舎で受講を始めた。

 寮を備えた専用キャンパスは2015年に開校予定で、1000人の学生が学ぶことができる。エール大が、本拠地である米コネティカット(Connecticut)州ニューヘイブン(New Haven)以外に大学を設立するのは初めて。

 だが、抗議運動や学生の政治活動を規制するシンガポールでの大学設立は、エール大の教職員たちからの批判を受けている。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)は、エール大が同国のこうした規制に迎合したことを批判し、「開かれた議論と抗議運動の中心としての同大学の精神に対する裏切り行為だ」と述べている。

 こうした批判が高まる中、シンガポール教育省は、キャンパス内での学生デモには、エールNUSカレッジ側の許可が必要だと述べている。(c)AFP