【8月25日 AFP】化学兵器が使用された疑いが指摘される内戦下のシリアで、政府と反体制派は24日、互いに相手側が化学兵器を使用したとして非難し合った。一方、緊急医療援助団体、国境なき医師団(Medecins Sans FrontieresMSF)は「神経毒性の症状」で先週355人が死亡したとしている。

 国連(UN)の高官は首都ダマスカス(Damascus)で、21日に化学兵器を使用した攻撃があったとされる件を調査するようシリア政府に迫っている。また、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、国家安全保障問題の顧問らと共に今後の対応について検討した。

 バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領率いる政府軍が首都ダマスカス近郊で攻撃を行い、1000人以上が死亡したとする反体制派の主張に対しどう対応すべきか、オバマ大統領にかかるプレッシャーは大きくなりつつある。

 シリア政府は反体制派の主張を強く否定しており、すでにシリア入りしている国連の調査官らの攻撃現場への訪問をいまだに許可していない。

 しかし、イランのモハマド・ジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相が、シリアのワリード・ムアレム(Walid al-Muallem)外相の話として語ったところによると、「シリア政府は、シリア国内にいる国連の派遣団と協力し、テロリスト集団が化学兵器を使用して行った攻撃現場を訪問するための条件を作成しているところだ」という。

 23日には反体制派の統一組織「シリア国民連合(Syrian National Coalition)」が調査官らの安全を保障する声明を出し、急がないと証拠が消滅してしまうと警告した。(c)AFP