「プリズン・ブレイク」のW・ミラー、同性愛を公表 露「反同性愛法」を批判
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【8月23日 AFP】米テレビドラマ「プリズン・ブレイク(Prison Break)」出演で知られる米俳優ウェントワース・ミラー(Wentworth Miller)さん(41)が21日、サンクトペテルブルク国際映画祭(Saint Petersburg International Film Festival)への招待を断る主催者宛ての公開書簡で、同性愛者であることを告白した。
同性愛者の擁護団体「GLAAD(The Gay and Lesbian Alliance Against Defamation)」のウェブサイトに掲載された公開書簡でミラーさんは、次のように述べている。
「ご招待いただきありがとう。過去にロシアで楽しい時間を過ごし、さらにロシア人の祖先を持つ者として、出席しますと言えれば幸せだ。しかし、同性愛者である私は、断るほかない」
「私と同じ(同性愛者の)人々が、堂々と生活し人を愛する基本的な権利を組織的に否定されている、そんな国が主催するイベントには道義的に参加できない」
ロシアでは6月、未成年者に対する「同性愛のプロパガンダ(宣伝)」行為を禁止する新法が成立し、国際社会から批判を浴びている。人権団体は、新法の条文があいまいで差別的だとして、2014年に開催されるソチ冬季五輪のボイコットを呼び掛けている。
サンクトペテルブルク国際映画祭の主催者はAFPの取材に、ミラーさんの公開書簡は突然のことで「なぜ今頃?」と驚いたと語った。ミラーさん側は既に4月に代理人を通じ、口頭で参加できないかもしれないと返答していたため、主催者としてはミラーさんの参加はないと受け止めていたという。
「プリズン・ブレイク」は2005~09年に米国で放映され大ヒットしたテレビドラマ。ミラーさんは他にも米テレビシリーズに出演しており、映画『イノセント・ガーデン(Stoker)』(2013年)では脚本を執筆している。(c)AFP