【8月21日 AFP】中国・北京(Beijing)の鍼(はり)治療院には、ハチの針を使った鍼(はり)治療で、命にかかわる病気を撃退しようとする患者が押し寄せているという。

 北京郊外で鍼治療院を営むワン・メンリン(Wang Menglin)さんによると、これまでにワンさんの「痛い手技」を受けた患者は2万7000人を超える。

 ワンさんによると、治療に使うハチは輸入したイタリアの種で、1回の治療で刺す針の数は数十本におよぶこともあるという。 「ハチを持って、患者のツボに乗せる。ハチの頭をつまんで針を出させる」とワンさんは治療の手順を説明。ハチは1回針を刺すと、息絶えるという。

「関節炎からがんまでさまざまな病気の患者を治療してきた。どれも良好な結果がでている」とワンさんは話す。下肢の治療や予防的治療にも効果的だという。

 肺がんと脳腫瘍があり、余命約1年と医師らに診断されたワンさんの患者は、ハチの針による治療のおかげで、宣告された余命の倍も生きていると話す。AFPの取材に、「ここ1年はどんどん丈夫になっている気がするよ」と、治療の効果に太鼓判を押した。

 一方、米医療サイト「Science-Based Medicine」は、このような「何でも治る」と主張する治療は常に「いんちき療法」を疑う必要があると警告する。同サイトは「ハチ療法」の利用について、「何の科学的根拠もない」と切り捨てている。(c)AFP/Neil CONNOR