【8月20日 AFP】米ジョージ・ワシントン大学(George Washington University)の国家安全保障公文書館(National Security Archive)は19日、イランで1953年8月にモハマド・モサデク(Mohammad Mossadegh)政権を転覆させたクーデターが、米中央情報局(CIA)により主導されたものであることを認める公文書を公開した。

 クーデターへのCIAの関与は既知の事実だったが、このたび「情報自由法(Freedom of Information Act)」の下で機密解除となった文書は、これまで公開された文書の中で最も明確にCIAの関与を認めるものとなっている。

 文書には、「モサデク首相とその内閣を倒した軍事クーデターは、米国の外交政策の一環としてCIA主導の下で実施された」と書かれている。

 2000年には、イランとの関係修復を試みたマドレーン・オルブライト(Madeleine Albright)米国務長官(当時)が、モサデク政権の転覆に米国が「重要な役割を果たした」と認めており、「イランの政治発展にとって妨げ」になったと述べた。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領も2009年の就任後にクーデターへの関与を認め、イランとの和解を試みた。ただ、明確な謝罪を求めるイラン側との歩み寄りには至っていない。(c)AFP/Shaun TANDON