【8月15日 AFP】新大統領が選出されて間もない西アフリカのマリ政府は14日、前政権を倒し、軍とイスラム武装勢力の攻勢を招いた昨年の軍事クーデターを率いたアマドゥ・サノゴ(Amadou Sanogo)大尉が、中将に昇進したことを明らかにした。国防省報道官が「本日内閣は、アマドゥ・サノゴ大尉を中将に任命することを承認した」と発表した。

 西アフリカ随一の民主国家とみなされていたマリでは2012年3月22日、サノゴ大尉が同僚の中級士官らを率い、当時のアマドゥ・トゥマニ・トゥーレ(Amadou Toumani Toure)大統領を倒すクーデターを起こし、国内は一気に混乱に陥った。北部は国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)につながるイスラム武装勢力の手に落ちたが、今年1月にフランス軍とアフリカ連合(AU)軍が介入し、北部の主要都市から反政府勢力を放逐した。

 クーデターはまた軍内部で、トゥーレ大統領に忠実だった「レッドベレー」部隊と、クーデター後の暫定政府寄りの「グリンベレー」隊の間の勢力争いを深刻化させた。4月30日に起きたレッドベレーによるクーデター未遂の後、レッドベレーの兵士らが失踪したことにサノゴ氏は関与していたとされている。

 同国では2日前に大統領選でイブラヒム・ブバカル・ケイタ(Ibrahim Boubacar Keita)元首相が勝利したばかり。

 国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)は、サノゴ氏の昇進を「恥ずべき行為」だと批判している。HRWのコリーヌ・デュフカ(Corinne Dufka)氏は「サノゴ大尉は疑われている拷問や強制失踪への関与について捜査されるべきで、このような昇進で報いられるべきではない」と述べた。(c)AFP/Serge Daniel