【8月15日 AFP】 香港沖で14日、フィリピンで死者6人を出した後、香港を襲った強力な台風11号(アジア名:ウトア、Utor)の影響により、全長190メートルの貨物船が沈没した。また、この台風の影響により香港の都市機能の大部分が一時停止した。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、中心付近の最大瞬間風速が時速150キロの台風ウトアは、現地時間午後3時50分に中国本土南部の都市、陽江(Yangjiang)に上陸。台風上陸前には中国南部で15万8000人以上が避難したという。

 ばら積み貨物船「トランス・サマー(Trans Summer)」の乗組員21人は、香港の南西80キロで船体が傾き沈んだため、船を離れたが、その後、2機の救助ヘリコプターと付近を航行していた船1隻に救助された。

 AFPの取材に対し、海事コンサルタント会社、ブランスクーム・マリン・コンサルタント(Branscombe Marine Consultants)のアラン・ロインド(Alan Loynd)氏は、この種の船は極端な天候に耐えうる設計になっており、何か異変が起きたに違いないと述べた。

「エンジン故障なら、船は舷側を悪天候に向けることになり、貨物が動いて船を転覆させる可能性がある」「一度こういった悪天候でコントロールを失うと、船は一気に災難にあう」

 中国政府の報道官によると、台風の影響で6人が負傷し病院で手当てを受けたほか、小規模な洪水が6件発生したという。(c)AFP/Joe Sinclair