【8月14日 AFP】米司法省と首都ワシントンD.C.(Washington D.C.)の他6州の当局は13日、USエアウェイズ(US Airways)とアメリカン航空(American Airlines)の110億ドル(約1兆800億円)規模の合併計画について、競争を大きく妨げると同時に消費者の選択肢を減らし、航空運賃の上昇につながると主張し、両社をワシントンの連邦地裁に提訴した。

 ビル・ベアー(Bill Baer)司法次官補は記者団に対し、「提訴は可能な限り最大の競争の機会を引き続き消費者にもたらすものだ。合併が実現すれば、運賃の上昇とサービスの低下につながるだろう」と説明。航空運賃の上昇分は「数億ドル」に上るとの推計を示すとともに、両社はいずれも、この合併計画の推進を必要としていないと指摘した。

 提訴を受け、すでに開始されていた両社の業務統合は実質的に中断を余儀なくされた。両社は株主や債権者、欧州の規制当局から承認を得て、今四半期中の合併完了を目指しており、新会社はUSエアウェイズの経営陣が運営を担当、航空便の運航はアメリカン航空の名称で行われる予定となっていた。

 司法省などは、この合併が実現すればこれまで競争ではなく「暗黙の調整」を続けてきた米国の航空会社4社が、国内の航空旅行市場の80%以上を占有することになると訴えている。(c)AFP/Paul HANDLEY