【8月14日 AFP】エジプトの首都カイロ(Cairo)で13日、軍に解任されたムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領の支持者と反モルシ派の間で衝突が発生し、治安当局者によると1人が死亡、少なくとも10人が負傷した。

 デモ隊の2つの巨大なキャンプの1つがあるナハダ(Nahda)広場からモルシ派が行進を始めると、地元住民がデモ隊に向かって投石を始めた。事態は急激にエスカレートし、双方がバードショット(鳥撃ち用の小さな球弾)を使うまでに発展した。

 これより先、カイロ中心部の別の地区でモルシ派と地元住民による小競り合いが発生、警察がその鎮圧のため催涙ガスを使用したと、複数のAFP記者が伝えている。

 治安当局者によると、この小規模な衝突はモルシ氏の出身母体、ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)に属する宗教学者数十人が宗教財産省内に立ち入ったところ、警察が退出を命じたことに端を発するという。その宗教学者らに、複数の店舗前面を損壊したモルシ派のデモ隊が加勢、怒った地元住民がその一団に投石し、あちこちの路上で乱闘に発展した。それが省庁前で行われていたモルシ派によるデモと重なったとみられる。

 モルシ派はカイロ内に2つの巨大なデモ隊キャンプを設立、7月3日に軍が退陣に追い込んだモルシ氏の大統領復帰を求めてほぼ毎日のように抗議活動を行っている。軍が支援する暫定政府は、数千人のイスラム教徒が1か月以上にわたって居座り続けているこのデモ隊キャンプの排除を警告しており、この対立でさらなる死傷者が出る恐れを懸念する声が国外からも上がっている。同国では6月末以降、モルシ派と反モルシ派、さらに治安当局との衝突で、250人以上が死亡している。(c)AFP/Samer AL-ATRUSH