【8月11日 AFP】米カリフォルニア(California)州で女性とその幼い息子を殺害した後に、殺害された女性の10代の娘を誘拐して逃走していたとみられる男が10日、アイダホ(Idaho)州の自然保護区内で米連邦捜査局(FBI)の捜査官に射殺された。上空から捜索していた捜査員が森の中にあるキャンプ場にいる2人を確認し、地上にいたFBIのチームが急行した。

 カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)郡のビル・ゴア(Bill Gore)保安官は記者会見で、FBI捜査官がジェームズ・リー・ディマジオ(James Lee DiMaggio)容疑者(40)を射殺したと発表した。しかし容疑者が武装していたのか、また捜査官に向かって発砲したのかなどの詳細は明らかにされていない。

 誘拐されていたハンナ・アンダーソン(Hannah Anderson)さん(16)は元気だが、病院で検査を受ける予定だという。

 ディマジオ容疑者はハンナさんの母親、クリスティーナ・アンダーソン(Christina Anderson)さんと息子のイーサン(Ethan Anderson)君(8)を殺害したとみられている。2人の遺体は4日、サンディエゴの東に位置するカリフォルニア州南部の小さな街、ブールバード(Boulevard)にある容疑者の自宅で発見されたが、自宅には火が付けられていた。ハンナさんの父親、ブレット(Brett Anderson)さんによると、容疑者は一家の親しい友人だった。

 複数の州警察当局とFBIが州をまたぐ大がかりな追跡を行った今回の事件では、目撃者の証言が容疑者の居場所を特定する決め手となった。8日に目撃情報を得た警察は多数の捜査員を投入し、10日までに200人以上を動員して捜索にあたっていた。

 その後、警察は9日にフランクチャーチリバー・オブ・ノーリターン自然保護区(Frank Church River of No Return Wilderness)につながる道の突き当たり近くで容疑者の車を発見。車はナンバープレートが外され、低木の茂みの中に隠すように止められていた。(c)AFP