【8月10日 AFP】暗号化電子メールサービスを提供する米ラバビット(Lavabit)は8日、業務を停止した。米当局の監視プログラムを暴露し訴追されたエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が同社のサービスを利用していたとされており、当局の圧力を受けて判断したものとみられる。

 ラバビットのオーナー、ラダー・レビソン(Ladar Levison)氏はユーザーに向けたメッセージを同社のホームページに掲載し、10年近く前に米テキサス(Texas)州で創業した同社を閉鎖すると明らかにした。

「米国民に対する犯罪の共犯者になるか、あるいはラバビットを閉鎖し、約10年間に及んだ大変な努力に背を向けるか、難しい決断を迫られた。そして内省を重ねた結果、業務の停止を決意した」(レビソン氏のメッセージ)

 レビソン氏はまた、「ここ6週間の間に経験したことを皆さんに伝えることを認めてほしいと2度にわたって申し出たが、現状では認められていない」として、決断を下した理由の詳細について語ることができないのは残念だと述べた。国家安全保障に携わる米当局者は米国の法律に基づき、何らかの差し止め請求を行った企業に対して情報を開示しないよう求めることができる。

 米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)の外部契約社員だったスノーデン氏がロシアの空港に足止めされていた間、同氏がラバビットのサービスを利用していたと報道され、同社は注目を集めていた。

 スノーデン元職員は今月1日にロシア政府から1年間の一時的亡命の許可を得ており、現在はロシア国内のいずれかの場所で暮らしている。(c)AFP