【8月9日 AFP】映画『市民ケーン(Citizen Kane)』(1941年)で知られる米映画監督、故オーソン・ウェルズ(Orson Welles)が1938年に製作し、未発表のまま長年にわたって所在が不明となっていた無声映画が、イタリア北東部ポルデノネ(Pordenone)の倉庫で発見された。今年10月に同市で開催される映画祭で初公開される。

 見つかった無声映画『トゥー・マッチ・ジョンソン(Too Much Johnson)』は、米ニューヨーク(New York)のマーキュリー劇場(Mercury Theatre)で上演された喜劇の序幕として上映するため製作が始まった。しかし、完成することのないまま、唯一のフィルムは1970年にスペイン・マドリード(Madrid)近郊のウェルズ宅で起きた火災により焼失したと考えられていた。

 ところが、今年になってポルデノネを本拠とする文化協会チネマツェロ(Cinemazero)のスタッフが、倉庫の中でこのフィルムを発見した。

 7日、フィルムの発見について発表したニューヨーク州のジョージ・イーストマン・ハウス(George Eastman House)国際写真映画博物館によると、どのような経緯でフィルムがイタリアの倉庫にたどり着いたのかは「いまだ謎」だという。

 見つかった一連のフィルムの保存状態は1巻を除き良好だった。その1巻も、オランダの専門家チームにより、デジタル技術を用いることなく修復された。

 修復されたフィルムは、10月9日にポルデノネ無声映画祭で世界初公開される予定。米国でのプレミア上映はその1週間後、ジョージ・イーストマン・ハウス博物館で開催される。(c)AFP