【8月5日 AFP】モロッコ国王モハメド6世(Mohamed VI)は4日、連続児童性的虐待で有罪になり服役していた受刑者に恩赦を与えたことへの批判が国内で高まっていることを受け、恩赦を取り消した。王室が発表した。

 マグレブ・アラブ通信(MAP)が報じた声明によると、国王は「犯罪の重大性と被害者への配慮」のために「例外的」にダニエル・ガルバン・ビーニャ(Daniel Galvan Vina)元受刑者に与えた恩赦を撤回することを決定したという。

 いくつかの報道では、ガルバン元受刑者は既に出国したとされているが、マグレブ・アラブ通信はモロッコ法相がスペイン政府と「恩赦撤回後の次の段階」について話し合うとしている。

 国王の声明は、恩赦に反対する大規模な抗議デモが行われる直前に出された。2日には警棒を持った警察隊がデモ隊を解散させていた。カサブランカ(Casablanca)で6日、首都ラバト(Rabat)で7日に計画されている抗議行動は予定通り実施される見通し。

 60歳代とされるガルバン元受刑者は、4歳から15歳までの11人の子どもを強姦(ごうかん)し、2011年9月に禁錮30年の有罪判決を受け服役していたが、7月中旬にモロッコを訪問したスペイン国王フアン・カルロス1世(King Juan Carlos)の要請に応じたモハメド6世の恩赦により、7月30日、他の47人のスペイン人受刑者とともにラバトの北にある都市ケニトラ(Kenitra)の刑務所から釈放されていた。(c)AFP