【8月6日 AFP】オランダ北部のエメン動物園(Emmen Zoo)で、東アフリカに生息するヒヒの群れが活発さを失い、目に見えない何かにおびえているような奇妙な行動を取っている。原因は解明されておらず、動物学者らが首をひねっている。

 同動物園の動物学者ウェイブレン・ランドマン(Wijbren Landman)氏は2日、AFPに対して「7月29日の終わり頃、ヒヒがパニック状態になった。非常に興奮しており、飛び跳ねることはなかったものの、奇妙な行動を取っていた」と語った。同氏によると、30日と31日には木の枝や地面に座り込み、動くことも餌を食べることもほとんどなかった。ヒヒ112匹が、来園者らに背中を向ける行動も見られた。

 同動物園は、こうしたヒヒの行動が確認されたのはここ20年で4度目だとしている。とはいえ、飼育下でも野生でも、こうした行動が他の場所で確認されたことはない。

 ヒヒは全て飼育下で生まれ、園内の島で生活している。同氏は、29日にどんな出来事がヒヒを不安に陥れたかは不明だとした上で、「様々な説を耳にしたが、信頼できるものはない」と語った。本物または来園者が着ていたTシャツの絵柄の捕食動物を目にしたとの推論や、地震などの自然災害を感知したとの推測があるが、「UFOが原因だとする意見が一番馬鹿げていた」という。同氏によると、野生のヒヒは捕食動物と出会った場合に動揺することが観察されているものの、今回のような行動は取らないという。

 説明がつかないヒヒの行動だが、少なくとも餌を少しは食べるようになったという。(c)AFP