【8月2日 AFP】夜間の睡眠量と疲労感との間には、ほとんど関連性がないとするスウェーデンの調査結果が1日、発表された。

 調査を率いたストックホルム大学(Stockholm University)ストレス研究所(Stress Research Institute)のトルビョルン・オーケルステット(Torbjoern Aakerstedt)氏は「睡眠時間の長さは、十分な睡眠を取ったかどうかを分析するための尺度としては、適切ではない」とAFPに語った。「遺伝的な条件が関わっており、年齢と健康状態によって左右される」

 同氏の研究チームは、3つの調査を実施。そのうちの1つでは、約6000人の睡眠パターンを調査した。

 その結果、睡眠を何時間取ったかは、日中にどの程度機能的に過ごせるかを決める要因としてほとんど重要ではないことが示唆された。「日中に爽快で活力に満ちた気分になるなら、十分な睡眠が取れたということになるだろう」とオーケルステット氏は言う。

 また今回の調査により、勤務日の平均睡眠時間は6時間55分で、休日にはこれに1時間加算されることがわかった。同氏によると、20歳の人は平均して8時間は睡眠を取るべきで、60歳の人は6時間で十分だという。

「だが、一般的な平均値は存在しない」とオーケルステット氏は付け加えた。20歳の脳はまだ発達中なので「もっと長く眠っても、まだ日中に疲労を感じることもある」という。

 長く眠るほど活力が増えるというわけではないが、少なすぎる睡眠は健康に影響するので禁物だと同氏は述べている。睡眠不足は結果として、免疫系の弱体化、2型糖尿病、心臓病、体重増加、職場での事故や交通事故につながる恐れがある。

 詳細な調査結果は今年中に専門誌に掲載される予定だ。(c)AFP