【8月1日 AFP】女子テニス元世界ランク1位で、31日に南カリフォルニアオープン(Southern California Open 2013)のダブルスで6年ぶりに現役復帰を果たすマルチナ・ヒンギス(Martina Hingis、スイス)が、シングルスでの復帰は考えていないことを明らかにした。

 ダニエラ・ハンチュコワ(Daniela Hantuchova、スロバキア)と組んで出場する試合を同日に控えた現在32歳のヒンギスは、「シングルスは考えていない」と話した。

「シングルスは全く違う世界。最近はワールド・チーム・テニス(World Team TennisWTT)でもシングルスは過酷です。1セットしかプレーしなくても、次の日の試合ではかなり頑張らなければいけません」

 かつてシングルスでは5度、ダブルスでは9度の四大大会(グランドスラム)優勝を経験し、合計209週間も世界ランク1位に君臨したヒンギスは、シングルスでプレーするために必要なトレーニングを行うまでの意欲は持っていないと話す。

 10代で女子テニスの頂点に立ったヒンギスにとって、勝てる見込みがない戦いのために汗をかくことは考えられないという。

「17歳の時は何もかもが簡単にできていましたが、今はその2倍近くの年齢になっています」とヒンギスは話す。

「1回戦や2回戦で勝った後、3回戦で負けるというようなことはしたくない。そういうのは私の性格に合わないんです。だから現時点ではシングルス復帰はありません」

 ヒンギスは2003年、負傷を理由にたった22歳で一度目の引退を宣言した。

 その2年後に復帰を果たしたが、2007年に行われたドーピング検査においてコカインの陽性反応が検出された。ヒンギスは無実を主張したが、2年間の出場停止処分を言い渡されたことを受け、再び表舞台を去った。

 2度目の現役生活でヒンギスは、グランドスラムの準々決勝を突破することはできなかった。

 ダブルスでのみプレーすることに対し、「何か変な気分」と言うヒンギスだが、WTTの試合によく出場していたことから、現役復帰への準備はできていると話した。ヒンギスは先週、ワシントン・キャッスルズ(Washington Kastles)のWTTリーグ制覇に貢献している。

「調子は結構いいです。もし自分がこのレベルの試合で勝てないと思っていたら、もちろん復帰なんて考えていません。だけどこれからどうなるかは見ないとわかりません」とヒンギスは語る。

「私のプレーはWTTでは通用しましたが、WTAは別物ですから」

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