【7月31日 AFP】仏乳業ブランドのカンディア(Candia)は29日、中国に店舗第1号をオープンしたと発表した。中国では相次ぐ食品安全問題で外国産粉ミルクへの需要が急速に高まっている。カンディアもその波に乗りたい考えだ。

 中国の家庭は国産乳業ブランドに対して不信感を強めている。特に、有害物質メラミンに汚染された粉ミルクで乳児6人が死亡、30万人が体調不良になった2008年の事件が大きなきっかけとなった。外国製品の方が品質が高いという信念のもと、親たちが外国製品を購入するようになったため、外国ブランドは中国市場で利益を上げている。

 この需要の波に乗ろうと、カンディアは23日、中国東部浙江(Zhejiang)省温州(Wenzhou)に店舗第1号をオープンさせた。杭州(Hangzhou)と寧波(Ningbo)を中心に年内にさらに10店舗をオープンさせる計画という。

 カンディアのGiampaolo Schiratti最高経営責任者(CEO)は「カンディアブランドは中国の顧客に、フランス直輸入製品の購入先を提供する」と述べた。

 中国における外国産粉ミルク製品の需要は高く、親や非正規の仕入れ業者らが外国で買い占めを行うほどで、一部の国や店舗では購入に個数制限を設定する対策を強いられている。

 中国では現在、中国市場で外資の粉ミルクメーカーが価格操作を行っていたとして当局の調査を受けており、一部企業がミルクの価格引き下げを発表している。(c)AFP