【7月31日 AFP】パキスタンで30日、アシフ・アリ・ザルダリ(Asif Ali Zardari)現大統領の任期(5年)が9月に満了するのに伴う上下両院と4つの州議会の議員投票による大統領選が行われ、第12代の大統領に与党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(Pakistan Muslim League-NawazPML-N)のマムヌーン・フセイン(Mamnoon Hussain)氏(73)が選出された。

 フセイン氏は432票を集めた一方、クリケットの元スター選手、イムラン・カーン(Imran Khan)氏が率いる第3党のパキスタン正義運動(Pakistan Tehreek-e-InsafPTI)が擁立したワジフディン・アハマド(Wajihuddin Ahmed)元判事は77票にとどまった。

 ザルダリ大統領が率いる第2党のパキスタン人民党(Pakistan Peoples PartyPPP)は、大統領選が8月6日から前倒しされたことに反発して投票をボイコットしたため、フセイン氏とアハマド氏の一騎打ちになっていた。

■シャリフ氏の政治的威信高まる

 フセイン氏が大統領に選ばれたことでナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)首相の政治的威信は高まるとみられる。

 シャリフ首相は5月の総選挙で圧倒的勝利を収め、同国では初めて文民政権が任期を満了し、選挙を通じて次期政権に権力を引き継いだ。フセイン新大統領の誕生でこの歴史的な権力移行が完了することになる。

 フセイン氏はインド生まれ。インドから分離独立したパキスタンにイスラム教徒が大挙して移るなか家族とともにパキスタン南部のシンド(Sindh)州の州都カラチ(Karachi)にやってきた。繊維関係の実業家で同市の商工会議所会頭を務めた経験もある。シャリフ氏が前回首相を務めていた1999年には短期間ながらシンド州知事を務めた。

 カラチ商工会議所の現会頭、アズハル・ハルーン(Azhar Haroon)氏は、「(フセイン氏は)1999年まで政治に関わったことはなかったが、フセイン氏の洗練された話し方と高い実務能力に感銘を受けたシャリフ氏がフセイン氏をシンド州知事にした」と話している。

 ザルダリ大統領時代の憲法改正によってパキスタンの大統領職は再び儀礼的なポストになっている。識者からはPML-Nを長く支えてきながら比較的目立たないフセイン氏は大統領就任後もシャリフ首相に全面的に依存するだろうと指摘する声が出ている。(c)AFP/Masroor GILANI