【7月31日 AFP】世界で初めて救命のための顔面移植手術を受けたとされるポーランド人男性(33)が30日、術後初めて公の場に姿を現した。いつでも退院できる状態にあると、医師らは話している。

 名を「グジェゴシュ(Grzegorz)」とのみ明かされたこの男性は、ポーランド南部グリビーツェ(Gliwice)の医療施設で行われた記者会見で、黒いサングラスをかけてスムーズに歩いて登場したが、その話し声は、記者らには理解することができなかった。

 石材加工場で働くグジェゴシュさんは今年4月23日、石を切断する機械によって顔の大部分を切り取られる重傷を負った。5月15日に行われた顔面移植は27時間にも及び、その間、グジェゴシュさんは完全に意識のある状態だった。移植手術を行わなければ命を落としていたと、医師らは話している。

 担当医は「話す能力は、9か月以内に元の状態に戻るはず」と語った。家族によると視力や味覚は回復しており、帰宅後の最初の食事としてアヒルのローストをリクエストしているという。(c)AFP