【7月31日 AFP】米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で約3年ぶりに和平に向けた直接交渉を再開したイスラエルとパレスチナは30日、長く困難を極めてきた和平交渉を9か月以内に合意に導くという野心的な目標を掲げた。

 両国を協議の場に促したジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官を中央に挟んで記者会見したイスラエルとパレスチナの代表は、数十年に及ぶ対立関係を解消すべき時に至ったと述べた。

 イスラエルのツィピ・リブニ(Tzipi Livni)法相は、パレスチナの交渉責任者サエブ・アリカット(Saeb Erakat)氏に対し、「今後の交渉でわが国が目指すのは、過去について議論することではなく、未来に向けて解決策を生み出し決定を下していくことだと約束できる」と述べた。

 29日から2日間の協議を仲介したケリー氏によると、双方は次回の協議を「今後2週間以内に」イスラエルまたはパレスチナ自治区で行うことに合意したという。さらに、「われわれの目標は、これから9か月以内に最終的な地位確定に向けた合意を取り付けることにある」ことも明らかにした。

 このいわゆる「最終的な地位確定問題」には、1948年のイスラエル建国により、それまで住んでいた土地から退去させられたパレスチナ難民が元の居住地に戻る権利や、イスラエル占領下のヨルダン川西岸(West Bank)のあちこちにユダヤ人入植地が建設されていることでより複雑になっているパレスチナ国家の国境画定、また双方が将来の首都とすることを主張している聖地エルサレム(Jerusalem)の帰属といった、感情が絡んだ難問が含まれる。

 ケリー氏は、「皆が得をし、双方が相手側の要望の成就に配慮し、誰もが和平の利益を享受し得る平和的措置を念頭に置いた、合理的で原則に沿った妥協」を改めて呼び掛けた。(c)AFP/Jo Biddle