【7月29日 AFP】西アフリカのマリで28日、大統領選の投票が行われた。約700万人の有権者が27人の立候補者の中から新大統領を選ぶ。昨年3月の軍事クーデター以来、初の国政選挙であり、新大統領には同国を安定に導くことが期待される。

 投票日前日の27日にイスラム過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(Al-Qaeda in the Islamic MaghrebAQIM)」系の武装勢力「西アフリカ統一聖戦運動(Movement for Oneness and Jihad in West AfricaMUJAO)」が投票所を襲撃すると予告したが、厳重な警戒のもとで28日午前8時(日本時間同日午後5時)に始まった投票は特に大きな混乱もなく10時間後に終わった。当局者によると、正式な選挙結果の発表は8月2日以降になる見通し。

 各投票所で取材にあたった報道陣からの情報を投票締め切り後にまとめたところによると、イブラヒム・ブバカル・ケイタ(Ibrahim Boubacar Keita)元首相(69)がリードしているもようで、8月11日に予定されている決選投票を待たずに第1回投票で当選する可能性もあるという。

 マリはクーデターの後、イスラム武装勢力に北部を制圧され、今年1月にはフランスによる軍事介入を招いた。3週間の選挙戦は大きな混乱もなく終わったが、北部では暴力の影がつきまとい、マリが安全で公正な選挙が行える状態にあるのか国内外から疑問の声が上がっていた。

 しかし欧州連合(EU)が派遣した選挙監視団のルイ・ミシェル(Louis Michel)団長が報道陣に「おおむねうまく行っている。有権者の関心も高い」と述べたほか、EUのキャサリン・アシュトン(Catherine Ashton)外交安全保障上級代表の報道官は、困難な状況にもかかわらず投票が平穏に行われたことを歓迎した。(c)AFP/Frankie Taggart