【7月26日 AFP】背が高い女性は低い女性に比べてさまざまな種類のがんを発症するリスクが高いとする研究結果が25日、米がん学会(American Association for Cancer ResearchAACR)の学会誌「Cancer Epidemiology, Biomarkers and Prevention(がんの疫学・生体指標・予防)」に発表された。

 研究では、50~79歳の閉経後の女性14万5000人近くを対象に調査を実施。その結果、身長が10センチ高くなるごとに、がん発症リスクが13%上昇することがわかったという。

 米イェシーバー大学(Yeshiva University)傘下のアルバート・アインシュタイン医科大(Albert Einstein College of Medicine)の疫学者で、論文の主著者であるジェフリー・カバット(Geoffrey Kabat)氏は、「がんは根本的に、成長に関連する過程の中で生じるもの。身長に影響するホルモンなどの成長因子が、がんのリスクにも影響を与える可能性があっても不思議はない」と話す。

 研究チームは、調査開始時点ではがんに侵されていなかった女性らを12年間にわたり追跡調査した。結果、乳がん、結腸がん、子宮体がん、腎臓がん、卵巣がん、直腸がん、甲状腺がん、および多発性骨髄腫や黒色腫にかかる可能性と身長との間に相関関係があることを発見した。

 身長が関係する可能性は、がんの形成に影響するとみられる年齢、体重、学歴、喫煙習慣、飲酒量、ホルモン療法などの他の誘発因子を考慮しても、なお高いという。

 カバット氏は、「身長に関係するとみられるがんの種類が多いことに驚いた。今回の調査によって、体格指数(BMI)よりも身長に関係するがんの種類が多いことが明らかになった」と語った。(c)AFP