【7月26日 AFP】スペイン北西部ガリシア(Galicia)自治州サンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)近郊で24日に起きた列車脱線事故で、同自治州の最高裁判所は25日、警察が運転士の1人に事情聴取する方針であることを明らかにした。事故では少なくとも乗客80人が死亡し、同国で起きた列車事故では過去70年近くで最悪の惨事となった。

 同裁判所は声明で、事故で負傷して入院中の運転士について、「病院内で警察による事情聴取が行われる予定」と発表。現時点では逮捕状は出ていないと付け加えた。事情聴取は26日にも開始される見込み。

 事故を起こした路線を運行する国有鉄道レンフェ(Renfe)は、事故原因を特定するのは時期尚早としているが、脱線時の列車の速度は規定の2倍以上に当たる時速190キロだったと報じられている。

 同市出身のマリアノ・ラホイ(Mariano Rajoy)首相は、事故が起こったのを「この上なく悲惨な日」と表現、事故に関連して2件の捜査を開始したことを発表するとともに、3日間の国喪を宣言した。

 同自治州政府の関係者によると、これまでに80人の死亡が確認され、1944年に同じく首都マドリード(Madrid)-ガリシア間の路線で起き、数百人が死亡した列車衝突事故以来、最多の犠牲者を出した列車事故となった。同政府の保健相によると、178人が負傷し、うち94人が現在も入院中。子ども4人を含む32人は重体で、死者数はさらに増える恐れがある。(c)AFP/Roland LLOYD PARRY