【7月25日 AFP】カナダ・オンタリオ(Ontario)州ウィンザー(Windsor)で22日夜、酒を飲んだ男性(47)が自分の水泳の技量を証明しようとデトロイト川(Detroit River)に飛び込み、対岸の米デトロイト(Detroit)に向かって泳ぎ出したことから国境をまたいだ大規模な捜索活動が展開される騒ぎになった。地元警察当局が24日、発表した。

 男性は一時身柄を拘束されたが、23日未明に釈放され、地元紙ウィンザー・スター(Windsor Star)の取材に「とても愚かな行為だった」と反省を見せる一方、武勇伝として友人に自慢できるのが嬉しいとも語った。

「酒を飲んではいたが、酔っ払ってはいなかった。実は、何年も前から『あの川を泳いで渡ってやる』と言っていたのだけれど、皆『はいはい、できるわけないよ』と否定するものだから、昨夜はその時が来たと思ったんだ」と男性は説明している。

 報道によると、男性は対岸のデトロイトまで泳ぎ切り、通りがかりの人たちに写真を撮ってもらった。その後ウィンザーまで引き返す途中で、大騒ぎになっていることに気付いたという。

 カナダ側の岸で待っていた隣人が、男性の姿が見えなくなったことを心配して警察に通報したのだ。深夜にもかかわらず、カナダ警察のみならず米・カナダ両国の沿岸警備隊が出動。小型船3隻にヘリコプター1機が加わって、男性の捜索が開始されていた。

 男性は最終的に、最初に川に飛び込んでから2時間近くたった23日午前0時50分にカナダ側で発見された。「ヘリコプターが上空を飛び回り、ボートが僕を捜しているのを見て、すぐに『ばかげたまねをしてしまった』と思った」と、男性はウィンザー・スター紙に語っている。

 当局によると、男性には公の場で酩酊(めいてい)した容疑が掛けられている他、水運路の河川で泳いだことに対して最大2万5000カナダドル(約240万円)の罰金が科される可能性がある。また、男性は水辺への接近を禁止されたという。(c)AFP